“いつも話聞いてくれるし優しすぎるんだよなあ”

じっと見たら読めるぐらいの大きさの文字と一緒にあがっていた、ある子のストーリー。
その写真は明らかに私の彼氏、湊の姿で。
初めてこの類のストーリーを見たときには放心状態になったけれどもう何度目かだからか慣れてしまった…彼とのデートを断られた日に、こんなストーリーを見るのも。

[生きてんの?]

私と同じタイミングでそのストーリーを見たのか連絡をくれた彼に[なんとか、]と返せばすぐに既読がついて掛かってくる電話。

「LINE送ったわけ?」
『既読つくはずないじゃん、』
「…だよな、前もそうだったし」
『…どうして私同居なんて始めちゃったんだろう』

わざわざ帰りたくないと口に出さなくても彼…数馬はこう言ってくれるから。

「あ、ビールとかちょうどないから買ってきてくんない?」
『私はパシリかなにか?』
「ふはっ、ごめんって。買ってきてくれませんか?」
『…数馬の奢りね』
「お前この前もそうだったじゃん」

いつも回り道で、でも結局素直で。
そんな彼に気づけば男女の垣根なんて越えてなんでも話すようになってしまっていた。
コンビニに寄って、アルコールとおつまみを買って向かう彼の部屋。