「ね、ねぇ…雅樹…」 横から声は聞こえないがこちらに視線を向けたのが分かった。 「私は…なんで、家族のことを…知らないの…?」 その時、普段表情をめったに変えない雅樹の眉毛がピクッと動いたのが分かった。