【短】ずっと、好きだった




椿くんの瞳が、寂しそうに揺れている。


それだけでもうキューーーン!ってなって、呼びたい気持ちで溢れてるけど。



「……嫌、かなー」



“椿くん”って呼んだら、なんかイメージと違うとか思われそうで…怖い。



「……あー…そっかー。
まだ早いって感じ?」


「うん」


「だよなー」



恋人になってから、まだ1週間だ。


早いってことにしとこう…。


でもたぶん…名前を呼べる時なんてずっと来ない。



「……芽瑠」


「え?」


「……や、なんでもない」



椿くんは何か言いかけた後、自分の首筋を掻く。


そしてお弁当を出して、何事もなかったように『卵焼きたべる?』なんて言ってきた。



……なんか


さっきの椿くん、ちょっと変だった気がするなぁ…。