「うぉ!椿!」
「あー?楸いるじゃん。
被ったー」
「邪魔しに来たのか」
「たまたまだっつのー」
屋上に着くと、先客がいて。
椿くんはその人と仲良さげに話していた。
「彼女と飯?
リア充アピールうざ」
「お前もだろ。
約束してんじゃねーの?」
「……今日は友達に取られたんですー」
楸と呼ばれた男の子は、
椿くんと、顔がよく似ている…。
「……あ、芽瑠は知らないよな。
コイツ双子の弟の、楸」
ポカンと情けなく口を開けて突っ立っていた私に、椿くんが紹介してくれる。
楸くんはチラッと私を見て
「ドーモ」
少し棒読みっぽく言ってから、頭を下げた。
なんだか少し、冷たいイメージだ…。
「楸、派手なの苦手だから」



