椿くんが恥ずかしそうに、ん゛ん、と咳払いする。
「……芽瑠は俺のどこが優しいと思った?」
「えっと…塾で、いつも隣に座ってくれるところとか…」
「うん」
「休みの日でも、図書館で勉強付き合ってくれるところとか…」
「うん」
「携帯持ってなかったから、
たまに家に電話かけてくれたこととか…」
「うん……全部下心だな」
恥ずかしそうに言う椿くんに、『ええ!?』と反応してしまう。
だって
あの頃の私はもっと…地味だったし、
椿くんが話しかけてくれるまで、接点もなかったのに…
どうして、そこまで…
「芽瑠に振り向いて欲しくて、必死だった」
「ふ、振り向いてって…
そんなに素っ気ないつもりなかったけど…」
「あの時は…なんか芽瑠と俺って、
住む世界違うなって思ってて。
俺バカでうるさかったし、芽瑠は真面目だったし…たぶん嫌いな人種だろうなって」



