私にも聞こえるようにか、少し大きな声で喋る楸くん。
『聞きたいんだろ?』と言わんばかりに、こちらに視線を送ってくる楸くんに、ありがとうと返すように合掌した。
「……愛想尽かしてなんかねーよ」
「じゃあなんで今一緒じゃねぇんだよ」
「だっ…て、
今日の芽瑠の隣に並ぶの、緊張するし…」
「はぁ?
ダッサ」
「うるさいな!
まわりにも可愛いとか言われて…なんか嫌だった」
「嫉妬かよ」
「嫉妬だよ!あーークソ!!……」
渡り廊下の柱の影から覗いていた私と、椿くんの目が合って。
(見つかった…!)
隠れた時にはもう遅くて、椿くんは楸くんになにやら怒ってる声が聞こえた。
し、しし、嫉妬…?
椿くんが…?
「……っ、芽瑠!」
「うひゃあ!!」
ドキドキする心臓を落ち着かせようと思ったのに、椿くんが急に目の前に現れてドキーーンと心臓が跳ねる。



