友達の発言に、椿くんは急に黙って…。
そしたら、ぐしゃぐしゃっと私の髪を乱した。
「……今更清楚系目指してるの?
似合わないよ」
薄めに塗ったピンク色のグロスも、椿くんの手にぐいっと拭われた。
「は?椿お前見る目ねぇな!」
「お前ってそんなギャル好きだっけ?
もし芽瑠ちゃんと別れるなら俺に譲って!」
聞こえてくる会話に、ぐっと唇を噛んだ。
『もし芽瑠ちゃんと別れるなら』
椿くんにとって、必要なのは“ノリのいい派手な私”だけ。
楸くんの言葉を聞いて、流されてる私なんか…必要ないんだ。
……失敗、しちゃったな。