【短】ずっと、好きだった




「椿くんとは、通ってた塾で知り合って…」


「へぇ」


「塾がない時でも、放課後に図書館で会って一緒に勉強したりしてました…」



中学の頃の椿くんは、今とそんなに変わらなかった。


超絶見た目地味な私にも、明るく話しかけてくれて。


塾では私の隣に座りたがる人なんていなかったのに


椿くんはいつも、空いてる私の隣の席に座ってくれた。



「へぇ。
椿はそのこと知ってんの?」


「…私、今と中学の時と、見た目全然違うから、たぶんわかんないと思う…だいたい、椿くんは覚えてないと思う」


「ふーん」



派手を演じてない私は逆に地味すぎてつまらないのか、楸くんはあくびまでしてる。


ほんと、ノリとはいえ、椿くんはどうして私と付き合ってくれてるんだろう…。