あの出来事から数日たった日

母、私、兄、

     と一緒に蛍を見に行った。


自分を目立たせようと一生懸命光っていた蛍

光は綺麗であたりを明るくしていた。


もう帰ろうと足を進めた時

母の指先に蛍がとまった。

その蛍は何かを伝えているかのようだったそうだ。

そしてふと母は思い出した

あの赤ちゃんのことだ。

なぜかその蛍が赤ちゃんなのではないかと。

母は
    『ごめんね』

         と何度も伝えると、

蛍は優しくふわりふわりと空へ飛んで行ったそうだ。

それと同時に母の頬には暖かい何かが流れていた。


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