友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

涙がどんどんあふれるのに、胸が苦しくて仕方ない。

うまく息もできない。

涙を止めるすべも忘れてしまった。


どうやって私は息をして、歩いていたのか分からなくなるほど、私は泣いた。



両手をギュッと握りしめる。

その手に残る渉の体温が余計に涙を誘う。

これが最初で最後・・・


私は闇に姿を隠すようにアパートへ戻り、一晩中泣き明かした。