友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

「玲奈」
目を開けると心配そうな渉が私の顔を見つめている。

ベッドに向かい合わせで寝ていた私たち。
渉は私の方に手を伸ばす。

「やめて」

私は夢から覚める時間なのだと思った。

自分の瞳から気づかぬうちにあふれていた涙を手で拭い、ベッドから出て、床に散らばっている服を集めて着る。


「玲奈」
渉が私に近づく。

「やめて」
強い口調の私に、渉が私の後ろで動きをとめたことが分かった。