なんだか、うまれて初めてヒールの靴を履いたかのような違和感と、歩きにくさに、思わず自分でも笑ってしまった。

美容室まではそう遠くはない。
歩いて行ける距離だ。

渉のマンションに引っ越してから、私は渉以外とはほとんど家の外を歩いたことがない。
いつも車で渉が買い物に連れて行ってくれたり、病院へも付き添ってくれていて、自分の足で歩いていると新しい発見がたくさんあった。

おいしそうなパン屋さんを見つけたり、小さな雑貨店を見つけたり。
娘がもう少し大きくなったら一緒に行きたい公園まで見つけた。

自分の足で、自分のペースで歩くってこんなに気持ちのいいことだったのかと、深呼吸をしてたくさんいい空気を吸い込みながら歩く。

渉に娘をお願いして、今日外に出たことを私は心からよかったと思った。

体が久しぶりの外の空気に喜んでる。