友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

香澄の実家に着くと、私は緊張で少し足が震えた。

何年ぶりだろうか・・・

幼いころからよく来ていた香澄の家。
ここでの思い出がたくさんある・・・。

「大丈夫か?」
車から降りて、玄関に立ち、前に動き出せずにいる私の背中を支えながら、渉が私の顔を覗き込む。

香澄のご両親には渉が事前に連絡を入れてくれていた。

「・・・うん」
全然大丈夫じゃない。
この家の中に入る勇気がない。

でも・・・渉の言っている香澄との最後の約束を・・・果たさなければと心のどこかから聞こえてくる。