友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

「私にとって、香澄は希望だった。支えだった。救いだった。」
「・・・」
何も言わないまま、ただ一点を見つめる渉。

「香澄が居なかったら、きっと今の私はいない。」

もしかしたら絶望して、ここにいなかったかもしれない。
生きることをあきらめたり、心を失っていたかもしれない。

今の私があるのはすべて、香澄のおかげだ。

「私が居られるのは、香澄のおかげなの。」

無邪気な香澄の笑顔を思い出しながら私は話を続ける。

「私がここまで生きてこられたのは、香澄がいてくれたからなの」

たまたま家が近所だった私たち。
でもそれにすら運命を感じてしまう。

香澄に出会わなかったら、私は・・・。