友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

「顔真っ青だぞ。」
渉が私の落とした箸を拾って、火を止めた。
そして私の背中に手をまわして、私を再びソファに促そうとする。

「大丈夫。このくらいやらせて?」
「だめ。」
「だって」
「だって?」
うつむく私の顔を渉が覗きこもうとする。
「玲奈?」
「だって、仕事してるのに、私のせいで・・・」
自分でも気づかないうちに思いつめていたのか、泣きそうになる。

自分の声が震えていることに気づき、私は黙った。

「玲奈」
「・・・」
「この子は俺たちの子だろ?生まれたらなんだってやってやる。目に入れても痛くないなんて、そんな感覚俺には一生わからないだろうって思ってたのに、生まれてないのに、こんなに愛おしいんだ。」