友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

何とか返事をすると、渉は何も言葉を返さなかった。


しばらくして何とか吐き気が治まってきたタイミングで私がトイレの扉を開けると、そこに渉が立っていた。

「・・・」
渉を見て何も言えない私に、渉はミネラルウォーターを渡してくれる。
その冷たさが心地いい。

「飲めるか?」
「・・・ちょっと・・まだ無理・・・」

つわりとは不思議なもので、水すら受け付けないことがある。

ペットボトルを頬にあてると、渉が心配そうに私を見つめていることに気づいた。

「ありがとう・・・買ってきてくれたの?」
少し汗ばんでいる渉の心配をほぐそうとかけた言葉にも渉は辛そうな顔をしている。