友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

「私が勝手にしたことなのに、渉にそんな苦しそうにしてほしくない・・・。私が」
「玲奈」
いたたまれない私の想いを渉がさえぎる。

「あの夜」
「・・・」
まっすぐに私を見つめる渉。

「あの夜、俺すっごい幸せだった。こんなにも満たされる時間があるのかって、手放したくないってすっごく思った。あんな時間・・・あんな気持ち・・・初めてだったんだ」
優しく微笑みながら私に近づき、私の頬に触れる渉。

「あの夜から始まったばっかりだ、俺たち。」
「・・・」
「大切にする。今日まで、玲奈と支えられなかった分も、俺は玲奈を支えたい。」
「・・・」
「それに、支えてもらうばっかりじゃない。玲奈が一緒にいてくれるだけで、俺、なんだってできるような気がするんだ。」
その瞳に嘘はないとわかる。