友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

渉は車につくと、助手席の扉を開けて私を座らせてくれた。
後部座席に私のバックを置き、運転席に回る。

「シートベルト平気なのか?お腹苦しくないのか?」
「平気。まだそんなに目立ってないし。」
「気分悪くなったら言えよ?トイレとか大丈夫か?のど乾いてないか?」
「大丈夫」
「自販機でなんか買ってくる。」
「大丈夫だから。」
「何のむ?逆に飲んだらダメなものってあるのか?」
「いらないよ?」
「水ならいっか」
駆け足で話をすると、渉はもう一度運転席から降りて近くの自販機の方へ向かった。

「水、これでよかったか?」
「ありがとう」
「座席、もっと倒したほうがいいかな。」
「大丈夫」
「エアコンきくまで暑いな。大丈夫か?」
「うん」
「あっ、お腹冷やしたらダメだな。」
戻ってきたばかりで再び渉は運転席から降りると後部座席でなにやらがさがさとしてから運転席に戻ってきた。