「・・・っ」

何も言えずにいると、渉は母子手帳を手にしたまま、立ち上がり私の肩をつかむ。

「玲奈」
「・・・・・・」

言葉は出なくて、何と言ったらいいかもわからなくて、私は顔をゆがめて泣くしかできない。


「玲奈・・・・」

「妊娠してるのか?」

その言葉に・・・もう嘘はつけなかった・・・。

お腹の子を想うと・・・これ以上嘘はつけなかった・・・。