焦ってぎこちなく足を動かしたら、ぐらりとバランスが崩れて私は地面に倒れそうになる。

咄嗟に私はお腹を庇う。


持っていたバックが地面に落ちた瞬間、私の体は後ろから抱き留められた。

その腕から逃れようとしても、がっちりと抱きしめられていて動けない。

「つかまえた」
「・・・離して」
「だめ。もう放さない。」
「放して」
「ダメ。絶対にもうはなしてやらない」

耳元でささやかれる言葉が全身に響く。