「・・・なんで・・・なんでいるのよ・・・」

絞り出す私の言葉に、渉がベンチから立ち上がり私の方に一歩ずつ近づく。

「来ないで」

「いやだ」

「それ以上来ないで」

必死に渉を遠ざけようとする。

「お願い・・・」

「やだ」

私がどんな言葉を言っても渉はどんどんと距離をつめてくる。

思わず後ろに後ずさる私。