友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~

「玲奈」

変わらない声。

あの頃と変わらない声で私の名前を呼ぶ。


その声に、全身の血が体中に倍速で流れているかのような感覚に襲われる。




渉はそっと私に手を伸ばす。

その長い指で頬を撫でるように触れられて、私は自分の瞳から涙があふれていることに気が付いた。