紫織はようやくこの七年の宗一郎の心が見えた気がして、彼の手を握った。
「君は成功したそうだね。おめでとう」
「ありがとうございます」
宗一郎は深く頭をさげていた。
「お父さん、私、彼と結婚したいの」
「うんうん」
「紫織さんと結婚させて頂けませんか。一生をかけて彼女を幸せにします」
「わかったよ。おめでとう。宗一郎くん、紫織をよろしく頼む。紫織もいまは何もできないお嬢さまじゃない。君の助けになれるんじゃないかな。考えてみれば、この七年は必要な七年だったってことなんだろう」
しみじみと遠い目をして、そうか、と何度も頷いた父は、「ふたりで幸せに」と右手を差し出した。
宗一郎に求めた握手だ。
それから、お母さんとふたりきりにしてほしいと言われ、紫織と宗一郎は病室をでた。



