その想像が確信に変わったのは、創立記念パーティ。
あの日、会場に美しい着物姿の彼女が現れた時、彼はハッとしたように目を見開いて彼女を見た。
彼はそのあとすぐに目を逸らしたが、光琉はその瞬間を見逃さなかったのである。
あの瞬間はわからなかったが、あのあとすぐ、彼女を見つめる瞳の光りの違いをしっかりと見つけた。
考えてみれば心あたりは山ほどある。
通常なら必ず出席する歓迎会に何故か欠席。突然制服を支給すると言い出した理由も彼女。ものすごく気にしているくせに避けている。エレベーターで彼女となにやら揉めていたらしいこと。
そして何よりの証拠が、あの御曹司キラーだ。
彼女の名前は『しおり』だった。
紫織としおり。そして彼女はどことなく、藤村紫織に似ていた。よく見れば全然違うが、少なくとも第一印象ではそう感じるものがあった。
そもそもあんな女に社長がひっかかるなんて、絶対おかしい。あんなこれみよがしな女にまんまと騙される彼じゃない。あの手の子ならキャバクラに山盛りいた。
でもあの女の子に藤村紫織の面影を探していたなら話は別だ。それならわかるというよりも、それ以外の理由が浮かばない。
どれもこれも偶然なはずはない。



