「光琉ちゃん……」
 荻野は慌てて自分の執務室に戻ると、急いで冷蔵庫を開けて光琉からのプレゼントの包みを開けた。

 真っ赤な紙袋から中の包みを取り出して箱を開けてみると、大きなハートの形のチョコレートが一枚あって、そこにはピンクの文字で『LOVE』と描かれていた。

「え?! ええ?」

 ポン、とパソコンが軽い音を立てた。
 ポップアップメッセージには元木光琉の名前だ。焦りながら開封ボタンを押すと。

『ちゃんと見ましたか? 中身  光琉』

『見た! 見たよ光琉ちゃん ごめん気づくのが遅くて 荻野』

『でも、副社長は紫織さんのことが好きなんですもんね? あきらめます 光琉』

 バシッっと机を叩いた荻野は、慌てて部屋を飛び出して、光琉の元へ行った。

「光琉ちゃん、今夜、食事でもどう?」

「どうしようかなぁー」

「ごめん、本当にごめん、マジで誤解してた」

 クスクスと光琉が笑い出す。
「しょーがないなぁー その代り、フレンチのフルコースでよろしくです」

「了解」