クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~


「副社長もスーツ姿、とっても素敵ですよ」

「そう? ありがとう。普段からスーツに袖を通さない理由はね、こういう時のためなんだよねー」

 次から次へと言うことが面白くて、紫織はアハハと笑い続けた。このままずっと楽しい話を聞いていたいと思ったのに、彼はやはり忙しいらしい。
「副社長、すみません、ちょっとよろしいですか? ご紹介したい方が」と、他の社員に呼ばれてしまった。

「では室井さん、僕の代わりにボディガードよろしくお願いします」
「了解しました」

 ひらひらと手を振って笑顔を残し、荻野副社長はクルリと背を向けた。

「おもしろいですね。副社長」
「ああ。あの調子だから、彼はどこに行ってもモテモテだ」

「でしょうね。あ、そうそう。課長も素敵ですよ」
「なんだその取ってつけたような誉め言葉は。さっきも同じこと言っただろ」
「あはは。そうでしたね」
クスクス笑ううちに、本当に心が軽くなっていた。