竜也の家に
母と父と竜也と私。
へんな感じ。
この家に漂う空気もへんだけど。
へんな空気を破ったのは父。
『君、親御さんは?』
『県外にいます。』
『桃と一緒に暮らしてることは知ってるのかな?』
『はい。前に電話で伝えました。またこっちに来た時に挨拶に行くと言ってました。』
そうなの?!
そんな話初めて知った。
『桃。学校は本当にここから通えるのか?』
『わかんない。もう辞めたい。』
父ってこんなに優しく話す人だったけ?
『辞めてどないするんじゃ!!』
今まで黙ってた母がくちを開いた。
『わかんないけど、花嫁修行かな?』
『お前なめんのも大概にしろよ!!』
私の胸ぐらを掴んできた。
それを宥めるかのように父が母の腕をぐっと掴む。
『君はそれで責任もてるの?』
『はい。責任はとるつもりです。』
『責任の意味わかってる?』
『はい。』
『わかった。桃とりやえず明日は学校行きなさい。
それで最後。これから先
もう僕にもおねいちゃんにもお母さんにも会えなくなるけどいいんだね?』
なんで?
なんで逢えなくなるの?
わかんない。
それって
今すぐに竜也か家族を選べってことなの??

