こぼれ落ちていく


四角い白い窓みたいな所には

くっきり赤い線が2本。










『聡!聡!私!陽性だった。』


白か黒がハッキリした私には
もう迷いはない。


『おっ!いい顔で戻ってきたじゃん。まぁ座ってオーレ飲もう。』


『どうしよ!どうしよ!竜也との子供がいるんだよ!』


興奮が収まらない。


『産むんだね。』


優しい笑顔で問いかけてくる聡。


『うん!なんかね!竜也が例え賛成じゃなくてもね、私は産むよ!だって!凄くない?私のお腹に赤ちゃんがいるんだよ!!』


『凄い、凄い。』

『ありがとう聡!私竜也にちゃんと話すよ!男の子かな?女の子かな?』


『はい。はい。わかったから。この続きはダーリンと話なよ。』

そう言って白いコートを私に渡してきた。

『あっ!店は?!どうしよ…初出勤!!』


『妊婦は空気の悪い所行かないの。』


ごめん聡。

そしてありがとう。


私、聡がいなきゃ絶対現実受け止められなかったよ。