こぼれ落ちていく


タクシーがついたのは
私が今住んでいる愛の巣とは違って

築まだ数年って感じの
綺麗なオートロックマンション。


『聡の家?』


『そうだよ。俺、ちょっと行ってくるから908号室だから、先入ってて。』

と言い
私に鍵を預けて
歩きだしたんだ。


私は鍵を挿しロックを解除して


言われた通りに
9階にある
聡の部屋へと足を運んだ。