---悠大side---

入学式の日の朝

いつもは隣の家の幼なじみの鈴華を起こしてから行くのだが、

鈴華の家へ行くと

「あら、悠大くん
鈴華ならもう行ったけど、喧嘩でもしたのかしら?」

うふふと、鈴華によく似た笑顔を向けてくる鈴華のお母さん

「いや、してないと思う、けど
いつも、鈴華怒ったりする理由がわかんないんすよ」

「あらあら〜
まあ鈴華と悠大くんは大丈夫だと思うわよ〜」

「そうですか?とりあえず学校で話してみます」

学校へ着き、体育館へ向かう途中

ドンッ

「わっ」

誰かとぶつかった、と思ったけど
聞き覚えのある声で

「あ、鈴華」

ぶつかったのは鈴華だった
鈴華は驚いた顔で俺を見上げ、なんでこの高校いるのかと聞いてくる

「あー家から近いし」

と誤魔化す俺

俺と鈴華は産まれた時から一緒にいた
小さい頃から俺はずっと鈴華のことが好きだ
だから、鈴華がこの高校を受験すると聞き、俺も行こうと決めた。

鈴華びっくりしてたな〜
かわいかったな…

なんて考えていたら、入学式もホームルームも終わっていて

「悠大〜帰るべ〜」

と親友の瞬に呼ばれた



鈴華がいない

「鈴華は?」

「なんか今先帰るって先帰ったよ?」

「石橋くんすずになんかしたの?」

「何もしてない」

と思う…

自信がないまま途中で瞬と長谷部と別れ一人で帰った