高校1年生の春
私、中原鈴華(なかはら すずか)はあこがれだった東ヶ丘高校に入学した

「これからここで、3年間を過ごすんだ…」


「体育館、体育館…」

キョロキョロしていた私に、

「あっ転入生?」

この人…先輩、?かなあ

「はい!中原鈴華です!」

「あはは!元気だね!わたしは松島あかね!高等部3年!」

背が高くて美人な先輩…
優しそうな先輩でよかった

「松島先輩!体育館どこですか?」

「体育館は、そこの渡り廊下を渡っていったらすぐだよ!」

「ありがとうございます!」

先輩と別れてから

「あ〜やばいよ、初日に遅刻しちゃうっ」

もうちょっと!
もう体育館は目と鼻の先…

「わっ」

ドテッ


誰かとぶつかって転んだ


謝らなきゃ!
ばっと顔を上げた先にいたのは

「え!?なんでここに悠大がいるの…!」

「いってえな。あ、鈴華」

そこに居たのは私の幼なじみの石橋悠大(いしばし)だった

「なんでいるの?悠大東ヶ丘は受けないって言ってたじゃん」

悠大は慌てる様子もなく

「あーまあ家から近いし」

「はあ」

「まあとりあえず体育館急ごうぜ」

「う、うん」

せっかくの入学式中、私は集中出来ずにいた。

小学校、中学校とわたしは嫌がらせを受け続けてきた。と言っても、いじめでは無い。
友達もいたし、直接言いに行ったこともある。
あくまで1部の女子の反感を買っていただけ。

その原因が幼なじみの悠大

悠大は昔から顔立ちも綺麗で、高校生になった今ではスタイルもいい。

その悠大の幼なじみであるわたしは、悠大のファン?達から邪魔者扱いされてきた

東ヶ丘は受けないって言ってたのに…!
はああ、まためんどくさい日々が…

「はあ…」

入学式が終わり、ホームルームでの先生の話も聞かずにうなだれていた。

「すず!帰ろ〜」

「るり」

よってきたのは、中学からの友達の中の一人で、親友の長谷部瑠璃(はせべ るり)

「俺らも一緒にかーえろ!すずちん」

「あ、まっちゃん」

まっちゃんこと、松川瞬(まつかわ しゅん)は瑠璃の幼なじみ

「悠大〜帰るべ〜」

私たち4人は中学3年間ずっと同じクラスで、今までもこうしてずっと一緒いた。

とはいえ!わたしはもうあんな目はごめんなのよ!

「るり、まっつん
ごめん!先に帰る!」

「「え?!」」