トライアングル・ビーチ

佐治くん、わたし、橘まゆき。
久々に顔を合わせた3人。その視線が不安定に絡み合う。
まさにトライアングル。絵に描いたような三角関係――。

「……えっ? えっ?」
パナマ帽にタンクトップ、ホットパンツ姿のわたしを見ながら、まゆきが突然驚きの声を上げた。
「え、なに……」
「ちょっ、やだ嘘でしょ」
目を見開きながらこちらに近づいてくる。戸惑うわたしの腕を引き、佐治くんに背を向けて歩きだした。
「えっ、ちょっ、待っ」
「いいから来て」
ざくっ。ざくっ。ビーチサンダルで熱い砂を踏みしめながら、まゆきに手を引かれて歩く。みんなのいるパラソルがみるみる遠ざかる。

この水着に何か、問題でも……?
穴でも空いているのかと不安になり、胸のあたりをかばいながら歩いた。