相当好きだったんだな。じゃなかったらわざわざ転校までして戻ってこないよね。この町に住んでいたってことはあたしの家の近くだったりして。確か昔近所に住んでいた女の子がいてその子の名前も『瑠衣』だったような。こんな偶然あるんだ。

「席は...杉原の隣が空いているな。日高、お前の席はあそこだ。杉原、日高が困っていたら宜しくな」

「はい」

「宜しくね。杉原 奏さん」

「えっ?どうして名前まで。まさか...!」

「覚えていてくれた?」

「瑠衣ちゃん!」

奏はびっくりして立ち上がった。それにびっくりした周りは奏の方を見た。