二人は一定の距離をとって目も合わせようとしない。二人も間はピリピリした空気が張り詰めている。クラスの皆は昨日のことを知っているからなんとなく気を使って、いつもはツッコミを入れる男子たちも何も言わない。

「奏」

「何?」

「奏、練習の時間何してる」

「もちろん皆の応援だよ。体育祭に参加出来ない分たくさん応援しないと...!」

「じゃあ椅子がいるね。私持ってくから奏はそこで応援してて」

「ありがとう。よーしたくさん応援するぞー!」