【完】恋の治療は保健室で〜秘密の遠距離恋愛〜

「奏どうしたの？足は大丈夫？」

足の痛さなんて感じなかった。ただ早く、逃げたかった。早くここから離れてたくてしょうがなかった。瑠衣君にしがみついた手が震えて力が入らない。

「あらあら。よっぽど幼なじみ君に会いたかったのね。そんなにしがみついちゃって」

「先生、奏をありがとうございました。後は僕が送って行きます」

「担任の先生には伝えておくわ。杉原お大事に」

学校を出てから少し震えが収まった。けど、あの先生が言ってたことが耳から離れない。

「奏、あの先生に何か言われた？」

「言われたというか...ごめんね。家に帰ってからでいいかな？今はちょっと...。もう少し落ち着いてから話したい」

「分かった。もうすぐ病院に着くからしっかり捕まっててね」

「うん。ありがとう、瑠衣君」

「これくらいなんてことないよ。幼なじみだし。それに、奏にもしもの事があったら薬師寺さんに怒られるからね」