「未来、いま柊先輩のこと考えてたでしょ?」


「ふぇ?」


咄嗟の沙羅に話しかけられて変な声が出てしまう。



「柊先輩は何の種目でるんだろうな〜、応援行きたいな〜って考えてたんでしょ?」



その言葉通りすぎてドキリと胸が鳴った。


「そ、そんなことは…」


「もう!私にはバレてるんだからね!?
未来が柊先輩のことが好きって!」


あんだけ毎放課後に目で追ってたら流石に気付くわよ!と、そう最後に言って、
少しドヤ顔で言う。



……やっぱ、わかっちゃうよね。
沙羅の入部から約2ヶ月の毎放課後グラウンドで練習する昴先輩を見てたり、
廊下で時々すれ違うと、無意識に目で追ってたり…しちゃってると思う。
気付かれたっておかしくない。

もう沙羅にバレてるんだったら、言ってもいいかな。
私の気持ちくらいは、話しても罰は当たらないはず…


「…うん、好き…だよ」



そう言いながら、グラウンドに視線を向ける。
もちろん、今は授業中だからグラウンドには誰もいない。
けれど、癖になってしまったのかグラウンドをすぐに見てしまう。


「やっと言ってくれた!私、応援するからね!」


そう言って、可愛くニコリと笑う沙羅に、視線をグラウンドから沙羅に向けて、
私も笑顔で「ありがとう」と言った。