それをどこか困った様に微笑んだ昴先輩。


「未来と俺は.......「昴先輩とは、同じ中学だっただけですよ」


昴先輩が私との関係をなんて説明するのかを聞きたくなくて、被せるように私が答えた。


大丈夫ですよ。
黒田先輩には、私たちの関係は言いません。
ううん、知られてはいけない。


ちゃんと、わかってる。


――そう意味を込めて、昴先輩に向けて微笑んだ。


黒田先輩に私たちの関係が知られてはいけない理由。
それは――

昴先輩の本当に好きな人が、黒田先輩だから。


好きな人に、勘違いなんてされたくないでしょ?
だから、絶対に知られてはいけない。


「ええ!そうなの?!」


口に手を当て、大袈裟に驚いた黒田先輩。


「そうなんです。」


「あれ?私とも同じ中学のはずなのに、あんまり会ったことないよね?」


私は、その問いにコクリと頷く。


それもそのはず。
中学の時から昴先輩が黒田先輩に好意を寄せていたことを、私は知っていた。
だから、できるだけ黒田先輩とは会わずに中学生活を送っていたんだから。


「ん?じゃあ、なんで昴とは知り合いなの?」


学年が違うのに、どうして?と不思議そうに言った。