「「「「キャアアアアアアッッ!!!」」」」
沙羅と私がサッカーコートのフェンスギリギリのところまで行くと、急に後ろから黄色い歓声が大きく響いた。
バッとサッカーコートに目をやると。
「すば、る...先輩...っ」
昴先輩がちょうどゴールを決めて、仲間とハイタッチをしていた。
――――そう。
女の子たちの目的。
それは、柊昴先輩。
この人たちは、きっと昴先輩のファン。
先輩は中学の時からサッカーをやっていて、今も昔も、サッカー部のエース。
中学の時もこうして、女の子たちから黄色い歓声を浴びていた。
運動もできて、スタイルもよくて、イケメンで.....
少女漫画から出てきた王子様みたいな人。
そんな人がモテないわけがない。
そんな人が私の彼氏なんだよね...
「何!あの人!
すっごいかっこいいじゃん!」
興奮しながら、私の肩をバシバシと叩く沙羅。
「ふふっ」
やっぱり、沙羅もそう思うよね。
昴先輩の彼女だからなのかな。
なんだか、自分が褒められたみたいで嬉しい。
「何で、未来が嬉しそうなの?」
軽く笑いながら、不思議な表情をした。

