まあ、あるとしたら、先輩と一緒に帰ることくらいかな。


ただ、先輩も部活があるから、先輩の部活が終わるまで園芸部を見に行こうかなって思っていたくらいだ。


「ねえ、今から見に行くの着いてきてくれない?」


「え?」


「お願いっ!」


私の前で両手を合わせて、お願いのポーズをする沙羅。


そんなことされたら「いいよ」って言うしかない。


正直、サッカー部には行きたくなかったんだけど...
でも、沙羅にお願いされたら行くしかない。


「ありがとう~!」


じゃあ、早速行こう。と鞄を持って、一緒にサッカーコートに向かった。





サッカーコートに向かうと。


「何あれ?」


指をさしながら、驚いた表情で言った。


私と沙羅の前には、たくさんの女の子たちがサッカーコートのフェンスの周りを囲むようにして群がっていた。


「やっぱり....」


ボソリと小さく沙羅に聞こえないように呟く。


「誰か有名人でもいるのかな?」


沙羅は私の手を掴み、群がっている女の子たちを押しのけながら前にすすんでいく。


この女の子たちがサッカーコートに群がっている理由。


それは、きっと―――。