こうして新曲リリースとhotoRiの復帰ミニライブをやる事になり、畔達はその日を前に水面下で忙しい日々を送っていた。
 椿生も社長として忙しい人だ。なので、週末は短い時間でもなるべく会ったり、連絡をするようにしてくれていた。それでも、畔は会える日を楽しみにしていた。


 自宅に戻り、畔はすぐに椿生にメッセージを送った。早く会いたい気持ちが抑えられなかったからだ。
 すると、すぐに椿生から連絡が届いた。と、思ったがスマホの画面を見る、いつもとどこか違った。

 畔は慌ててその画面を見ると、そこには
「神水椿生」と表示さてはいたが、なんとビデオ通話になっていた。
 畔はおろおろしつつも、画面越しであっても椿生に会える。その思いが勝り、通話ボタンを押してしまった。

 『こんばんは、畔ちゃん』
 『こ、こんばんは』

 畔は画面に映る椿生にドキッとしてしまった。自宅なのか、白いYシャツに首元のネクタイは緩んでおり、どこかラフな印象の彼がそこに居たのだ。デートの時には見せない彼の姿に色気さえ感じてしまった。