「「……」」



あ。あれ?
なんで黙っちゃうの……?



あたしはくちびるを噛みしめたまま。
なにも言わない爽斗くんを見上げていると、



「……なにその顔」



ガシガシとあたしの髪をかき混ぜた爽斗くんは
ふいに顔をそむけた。




「……素直に妬いてんなよ、バカ」






後ろ姿が遠ざかっていく。




頭に残る温もりに
心拍数も体温もあがっていく。



爽斗くんの姿が見えなくなって
しばらくしてから
やっと我に返った。





待って、待ってよ。



これって、はぐらかされたんだよね?


彼女、いるの?いないの?どっち?