【完】爽斗くんのいじわるなところ。


結局出てくる言葉は、これしかないの。



「……、ごめん」


そう言うと、爽斗くんは
呆れかえるようなため息を深く吐いてから
あたしの髪を一束、すくいあげた。



「莉愛ってなんでそうなの?」



怒りは最高潮だって教えるような
険しい表情に、
すぐそこまで距離を詰められて影がかかる。



視界が、揺れる。
でも……目を離せない。
離したくない。



眉根をよせた爽斗くんを見つめて
息をのんだ。



「……俺今朝、お前に教えたと思うんだけど」


低いトーン、不機嫌な声が、
鼓膜を震わせる。



ドクドクと、
鼓動が速まっていく。



「”俺以外のやつみたら一緒に居てやんない"って」



爽斗くんがすくっていた髪が、
はらりと指間をすりぬけて頬に落ちてきた。


近かった距離がサッと開いて、
冷ややかな目があたしを……見放して



「じゃーね。もう莉愛なんか知らない」



爽斗くんはあたしに背を向けて歩きはじめた。



……待って、


やだ……。





襲い掛かる絶望感。



——突き放された。