あいつを殴ろうと大きく振った手は。 「……っ! だめっ!!!!」 俺の前に飛び出してきた莉愛ちゃんを 地面に叩きつけてしまった。 ドサリと崩れる小さな体。 赤く腫れあがる頬を、閉じた瞳を、じんじんと痛む拳の感覚を。 彼女の名前を叫んだサヤの顔を。 きっと俺は一生忘れられない。