次第に濃くなっていく夕闇があたりを覆う。


だれもいない静かな住宅街の小路。



「それは……爽斗くん」


あたしの声が


重苦しい空気に変えてしまった気がする。


優心くんは地面に目を落として、ただ立っている。


「……ねぇ、莉愛ちゃん。それどー言う意味?」


震えるような暗い声は、明らかな怒りを孕んでいて、優心くんのものとは思い難いけれど。


ここにいるのは、そこで深く俯く、彼だけだ。



背筋が急激に冷えていく。



「俺が、サヤを見てるって、どういうことだよ」