爽斗くんが、あたしを捨てた今。


あたしはもう、本当に、ひとりなんだ。



隣を歩く優心くんを見上げる。


小さなころからの大切な友達。


毎日挨拶してくれる。

屈託なく笑ってくれる。


あたしの下手くそな声を待っていてくれる。

最後まで聞いてくれる。


優心くんのあたりまえは、あたしとって心を照らして、体を暖めてくれる太陽みたいなんだよ。


だからこそ……優心くんを失うのは、こんなにこわい。




でも……。


あたし、彼にどうしても言いたいことがある。


ごく、と唾を飲み込んだ。


あたしのマンションまであと100メートルもせずについてしまう。


……言わなきゃ。



「あの……っ、優心くん、話があります」