俺は、性根悪い満面の笑顔を、あいつに向ける。
「莉愛のくせに好きな人と両想いなんて、むかつくしね。だからファーストキス奪っちゃって、悪かったよね」
莉愛の瞳から、涙が零れ落ちていく。
キスの瞬間、間違って俺に流されてくれた莉愛は、今ここでちゃんと捨ててあげる。
甘い視線で俺を見上げてくれたあの瞬間の莉愛は、
ぜんぶ俺に都合のいい幻想なんだから。
「サヤ……? 莉愛ちゃん……」
誰より動揺しているように見える優心が、莉愛の肩を優しく抱いている。
太陽みたいに莉愛の心を解く優心みたいな人が、莉愛を幸せにしたらいいんじゃないの。
俺なんかより、ずっといいってわかってる。
だからお前のことなんか今すぐ、華麗に捨ててやるよ。



