【完】爽斗くんのいじわるなところ。

「……っ、うん、ごめん」


「謝るくらいならしなきゃいいよね」



彼の腕でごしごしと涙を拭われた。


鮮明になった視界の真ん中で、眉根を寄せる彼は、



あたしにとってやっぱり、誰よりも勇敢で優しいヒーローで……。



「……助けてくれてありがとう」


「だから。助けてない、学校に忘れ物しただけ。莉愛のくせに自惚れんな」