「莉愛のファーストキスすごいね」 やけに上機嫌で、意地悪い声が聞こえて、思考がピタっと止まる。 「残念なことに場所は心霊スポットだし、俺なんかに奪われちゃって」 体が離されるのと同時に彼を見上げると、 あたしの唇は、親指でそっと撫でられて。 「……唇(ここ)、上書きしたら許さないからね」 綺麗な茶色の瞳が、長いまつげが、かたちの綺麗な唇が、 絶対服従の微笑に歪んだ。