夏祭り当日の掃除の時間。


教室で女子数人がほうきを片手に円をつくって喋ってたんだ。


声のトーンからして、いかにもな陰口。



『ねぇナナミちゃん、なんで莉愛ちゃんなんて呼んだの?』


『そんなの爽斗を呼ぶために決まってるじゃん』


『あー、そっか! なぞに仲いいもんね』


『だから爽斗さえくれば莉愛ちゃんって、ちょっと邪魔だよね』


『うん、話あわなそー』


『じゃあさ、莉愛ちゃんのこと、祭りの途中ではぐれさせちゃおうよ』




廊下掃除をしていた俺には、そんな計画が聞こえてきた。