「最初は莉愛ちんのこと好きなんだなーって思ったけど、なんか彼ってわたしからしたらぜんぜんつかめないなー」


「そう、なの?」


っていうより、爽斗くんがあたしをすきなんて1000パーセントないけど。


そんなにつかめないのかな?


爽斗くんはあたし以外の人には明るくて、とくに可愛い子には甘い言葉を簡単に言うよ。


……毎度あたしはその光景を静かに眺めて、やきもちを隠してる。



「まぁとにかく、莉愛ちん! 幼馴染とか隣人とかって立場に油断して動かないでいたら、取られちゃうとおもうよ!」


「……!」


「こんどの夏祭り、爽斗くんと行きたいって言う女子がこのクラスだけでもかなりいたんだよ!」


「……うそ」


「本当。莉愛ちん、ぜったいに頑張って勝ち取ってきて!」


ごく、と唾を飲み込んだ。


「がんばって!!」


仁胡ちゃんのエールに、小さくうなずいた。




けど……。